2021/01/23 20:27

草木染めの作業をしているとその中で、自然から色を「いただく」という感覚が芽生えます。

植物を煮て、布を浸して、乾かして。また煮て、浸して、乾かして。

積み重ねの作業を通して自然からいただいた美しい色を暮らしの一部として手元におけたら、それは素敵なことだなと思って布を染めています。


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今回は、とてちての〈 楊梅+藍 染め 〉草木染めの丸いトートバッグをご紹介します。



自然の中に溢れている緑色は草木染めでは一種類の染料で再現するのが最も難しい色とされています。

そのため一つの染料ではなく、黄色の植物染料と藍の青色を重ねて緑色をつくるのが一般的です。

その分、時間も手間もかかりますが、きれいに染め上がった時の嬉しさはひとしおです。


今回紹介するバッグは楊梅(ヤマモモ)の樹のチップを煮出して染めた黄色と、藍を重ねて緑色をつくりました。

楊梅は厳密には黄色の中でも黄土色に近い「楊梅色」に染まるため、より深い緑色になります。




布は、少し粗めに織られたリネンで、ふわりと肌触りがよく、その優しい雰囲気が草木染めの色と相性がぴったりで選びました。


デザインは、はじめ小さなお子さんのいるご夫婦にプレゼント用として考えたので、何でもパパパッと入れられるよう懐大きいつくりになっています◎

現在とてちてで制作しているバッグの中でも一番大きなものですが、丸いシルエットで可愛げもあるデザインです。



寒い日がまだまだ続いておりますが、自然の中では早咲きの梅が少しずつ咲き始め、先の春の気配が感じられるようになりました。

緑あふれる季節までもうあと少しみたいです。




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